第17章 AppArmor の紹介

目次

17.1. AppArmor プロファイリングの関連情報

信頼のおける プログラムであっても、バグに起因する 数多くのセキュリティ脆弱性が存在しています。信頼のおけるプログラムは、 攻撃者が望むだけの権限を持って動作しているため、プログラム内にバグが 存在すると、攻撃者に必要な権限を与えてしまうことになり、信頼を損なって しまいます。

AppArmor® は、疑念のあるプログラムに対して権利の制限を行なうことに特化して 設計された、アプリケーションセキュリティソリューションです。 AppArmor は管理者 に対してプログラムが実施できる動作領域を指定できるようにするためのもので、 動作領域はセキュリティ判断 (AppArmor では プロファイル と呼びます) によって設定を行ないます。プロファイルとは、プログラムがアクセス する可能性のあるファイルや、プログラムが実施する可能性のある操作の一覧です。 これにより、 AppArmor は実際の攻撃を検出することなく、アプリケーションに対して 正しい動作を強制することになり、たとえ未知の脆弱性に対する攻撃であっても それを防ぐことができるようになります。

AppArmor は下記のコンポーネントから構成されています:

17.1. AppArmor プロファイリングの関連情報

AppArmor の技術やセキュリティについて、詳しくは下記の書籍をお読みください:

SubDomain: Parsimonious Server Security by Crispin Cowan, Steve Beattie, Greg Kroah-Hartman, Calton Pu, Perry Wagle, and Virgil Gligor

AppArmor の初期デザインと実装について説明した書籍です。 2000 年 12 月の New Orleans, LA における USENIX LISA カンファレンスで発行された報告書 です。内容は既に古いものになってしまっていて、文法や機能に 関する説明は、現在の AppArmor 製品とは異なっています。この書籍は背景と なる知識を得るために有用なものであり、技術文書としては使用すべきでは ありません。

Defcon Capture the Flag: Defending Vulnerable Code from Intense Attack by Crispin Cowan, Seth Arnold, Steve Beattie, Chris Wright, and John Viega

とても短い期間に発生した重要なセキュリティ問題を AppArmor で解決する際の、 戦略/戦術的に良いガイドです。 2003 年 4 月に Washington, DC で開催された DARPA Information Survivability Conference and Expo (DISCEX III) で発行 された報告書です。

AppArmor for Geeks by Seth Arnold

このドキュメントは、 AppArmor の技術詳細についてよりよく理解するための 文書です。こちらは http://en.opensuse.org/SDB:AppArmor_geeks からアクセスできます。


openSUSE セキュリティガイド 13.1