AutoYaST では、システムのインストールをグループに分けて自動的に実施することが できます。このような場合、 AutoYaST のインストールを準備するにあたっては、 まず目的のシステムをどのようにインストールするのかを決めます。たとえば下記の ような例が考えられます:
SuSE Linux を 50 台のシステムに新規インストールする。
開発部門では 50 台のうち 30 台を所有し、デュアルプロセッサ (2 基のプロセッサ が搭載された) システムであり、 SCSI が搭載されている。これらのシステムには、 開発用のソフトウエアをインストールしなければならない。
営業部門では 50 台のうち残りの 20 台を所有し、ユニプロセッサ (1 基のプロセッサ が搭載された) システムであり、 IDE が搭載されている。これらのシステムには、 エンドユーザ向けのソフトウエアとオフィスツールをインストールしなければならない。
環境要件:
同じイーサネットセグメント内にブートサーバが存在する。
SuSE Linux で動作するインストールサーバが存在する。
AutoYaST のルールやプロファイルを定義する AutoYaST 設定サーバが存在する。
設定サーバには、複数のマシンに対する制御ファイルを保存します。制御 ファイルの名前はどのようなものでもかまいません。それぞれターゲットとなる マシンの起動時に、制御ファイルを指定するためです。各クライアントに対して プロファイル名を指定せずに済ませるには、制御ファイルのディレクトリを 設定する方法があります。ディレクトリを指定した場合、それぞれのクライアント は IP アドレスを 16 進数表記にしたものでプロファイル名を読み込もうとします。 これは特に、ファイル名を IP アドレスではなく、わかりやすい名前で設定したい ような場合に便利です。
設定リポジトリは、制御ファイルの作成時に設定システムを利用するときと同じ 方法で指定します。
自動インストールの際、制御ファイルの取得に HTTP
プロトコルを利用できるようにするには、まずサーバ側で
HTTP に対応したサーバを動作させる必要があります。
Apache などの Web サーバをインストールし、 YaST で
設定作業を行ってください。通常は Web サーバのルートディレクトリは
/srv/www/htdocs
に設定されているため、あとは
設定リポジトリとして、そのディレクトリ内にサブディレクトリを作成する
ことで、準備が整います。
NFS を利用する場合は、まずディレクトリを
作成してから、インストール作業を行なうマシンに公開を行ないます。もちろん、
CD の内容をコピーした場所 (たとえば /usr/local/SuSE
など)
でもかまいません。
既定では、 TFTP サービスは
/tftpboot
または /srv/tftpboot
をネットワーク経由での起動イメージの提供元ディレクトリにしますので、
このディレクトリ以下にサブディレクトリを作成します。ただし、
inetd の設定ファイル (/etc/inetd.conf
) などで
TFTP を有効化することを忘れずに実施してください。
inetd は YaST で設定できます。